とある トール ss


『とある魔術の禁書目録』名言・名セリフ投票エリア. The novel "トールSS とある魔術の星空踏破(ライジング)" includes tags such as "とある魔術の禁書目録", "とある小説10users入り" and more. 誰かを助けたくて力を求めたのか。 力があるから誰かを助ける気になったのか。 どちらが始まりなのか、彼自身もうわからない。 『お前に見せてやるよ…全能神トールってヤツを』   拳を振るう。  『『『敵を殺すのに、俺から出向いてやる必要なんてどこにもない』』』   拳を振るう。  『…そこまでの力があって、今さらお前はオティヌスに何を期待してたんだ?』  『俺だって他の「グレムリン」の連中とさして違いがある訳じゃねえさ。自分の望みを叶えるために合流した。それだけでしかない』  『魔神オティヌスは、どうしようもない悪党だった』  『だけど、それを止められなかったのはお前たちの責任だ!自分の罪から逃げるなよ、全能神トール』  『「それ」と「これ」とは話が別だぜ、上条ちゃんよ』   拳を振るう。  (完全なオティヌスじゃ全く歯が立たねえし、他の正規メンバーじゃ弱すぎて何にも積み上がらねえ)   この身は全能の神。その力はどうしようもなく無敵で、同時にこの上なく虚しい。   だからこそ期待した。  (アンタなら   とある右手を持つ少年。彼ならばこの身に相応しい踏み台になってくれるのではないかと。 だがそれも期待外れに終わった。既に自分は勝ちのペースに乗っている。心が冷める。瞳の色が死んでいく。   だが。  『……なら、俺との戦いに関係ないものには対処できないんじゃねえのか?』   ―――届いた。  致命傷には至らない。立ち上がることも十分に可能だ。相手も極限まで消耗しているし、同じ手は二度は通じない。そういう意味ではまだ足りない。自分を倒すにはまだ及ばない。  それでも、確かに届いた。全能の神の名を冠するこの身に、確かに傷をつけたのだ。   そして。  『私には私を救う事なんてできないよ』  『……、るな』   その少年は。  『逃げるなあ‼︎オティヌス!!!!! [目次] !』   その手で、確かに救ってみせた。      「しっかし、マジで救っちまうとはなあ。流石は上条ちゃん、ってところかねぇ」  イーエスコウ城。一つの物語が終息したその地で、雷神改め全能神トールは一人呟いていた。  魔神オティヌス率いる『グレムリン』が引き起こした一連の騒動。『槍』の完成に伴ったオティヌスの覚醒と世界の滅亡。そして、『理解者』を得て力の放棄を決意したオティヌスと、彼女の『理解者』となった少年、上条当麻による逃避行。世界中を震撼させた『グレムリン』は空中分解し、主導者たるオティヌスは『魔神』の力を失った。……何故か身体が手のひらサイズに縮んでいたが些細な事だ。  ともあれ、『グレムリン』はもう無い。その一員だった全能神トールも完全に手持ち無沙汰である。 「上条ちゃんともう一戦……は、流石に気が早いか。『グレムリン』の連中も粗方倒しちまったし……」  全能神トールは生粋の戦闘狂である。より強い相手との戦闘を渇望し、より多くの『経験値』を追い求める。上条当麻との戦いを終え、手頃な相手が思い浮かばない全能神トールはポツリと呟いた。  「あー……どっかに良さげな敵はいないもんかね……」   次の瞬間。  「…………………ッ⁉︎」  全能神トールの身体を、謎の違和感が襲った。 まるで、 急いで身体や魔術の調子を確認するが、特に変わったことはない。 「オティヌスが世界を歪めた余波か……?それにしちゃタイミングが遅いような気もするが」  考えを巡らすも、一向に結論は出ない。実際には、オティヌスの行動に加えて僧正と呼ばれる『魔神』が世界に介入したことが原因だったのだが、全能神トールは知る由もない。 「まあ、悪影響も無いみたいだし放っておいても問題なさそうだが……」   ふと、その言葉が頭に浮かんだ。  「        アインツベルン。ドイツに居を構えるその一族には、千年もの間抱き続けている悲願がある。  第三魔法。その効果は『魂の物質化』。失われたその秘術を再び手にすることこそが、錬金術の大家にしてとある戦争において『御三家』と称される名家の悲願である。  そして、それを実現させるための手段。聖杯戦争と呼ばれる、七組の魔術師とサーヴァントの殺し合い。それはかつて四度行われ、当然アインツベルンはその全てに参加してきた。  だが、アインツベルンは未だ聖杯をその手に収めてはいない。一度目は碌にルールも定まっておらず有耶無耶のうちに終了し、二度目は単純に敗北。三度目は魔王の召喚を試みるも失敗し、四度目は切り札として迎えた婿養子の裏切りに遭い聖杯は破壊された。  そして、五度目となる今回。マスターもサーヴァントも、過去最高のスペックを誇る。  マスターとなるのは、忌々しき裏切り者である衛宮切嗣と前回の聖杯であるアイリスフィールの娘、イリヤスフィール。生まれる前から次期の聖杯としての調整を施され、全身に魔術回路を宿した、生まれながらに魔術師として規格外な少女。  サーヴァントとして召喚するのは、ギリシア最大の大英雄、ヘラクレス。たった一人で十二の偉業を成した、正真正銘最強を名乗るに相応しい大英雄。彼をバーサーカーとして召喚することで、強靭な肉体は更に強化され、裏切りの心配もない。  準備は万全。布陣は最強。故に敗北などあり得ない。    そう、なるはずだった。   「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――――!」  紡がれた詠唱に魔法陣が呼応し、凝縮された魔力がヒトを象る。その姿は、まさしく大英雄に相応しい屈強な―――――  「あん?何だこの辛気臭い場所。つか何だって俺はこんなとこにいるんだ⁇」   ―――――それとは程遠い、細身な少年のものだった。    「……え………………?」  召喚者であるイリヤスフィールは、思わずそう呟いた。目の前に現れた少年は、ともすれば少女に見紛うほどに華奢だ。とても世界を支えた豪傑とは思えない。ステータスを見ても、魔力こそ高いが他はそこそこ。しかも、バーサーカーを指定して召喚したはずなのに、理性はしっかりと残っているように見える。 (まさか……失敗?この、わたしが?)  不安に駆られる。もし本当に失敗してしまったのならば、アインツベルンの悲願の達成は限りなく遠のいてしまうだろう。  「……一応、確認するけど。…あなたは、ヘラクレスなの?」 「いや、俺はトールだけど?」   (……ヘラクレスじゃない……!)  失敗した。失敗してしまった。ヘラクレスを召喚することができなかった。悲願の達成が遠のく。代わりに現れたトールとかいう少年では、ヘラクレスの代わりなどとても務まりは―――――     …………………………………………。    トール。    …トール。    ……トール。    ………トール?      「トール!!!??

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