「おられる」という言葉は聞いたり、使ったりすることも多いですが、正しい言葉なのか?使い方は間違っていないのか?をしっかりと理解できていない場合もあるかもしれません。今回は「おられる」の意味や正しい使い方について解説します。言い換えの言葉「いらっしゃる」などもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。目次目上の方の存在や行動に対して「○○さんがおられる」「食事をしておられる」などと表現することがあります。この「おられる」は「いる」「~している」の敬語表現です。「おられる」は相手の方本人へ「いつもお元気でおられますね」などと使うこともできますし、第三者へ「○○様はきっとお元気でおられるのでしょう」など本人の様子や状態を伝えたり確認したりするときにも使うことができます。「おられる」という敬語にはさまざまな意見があります。敬語として成り立っているという人もいれば、「おられる」の元は「おる(居る)」なので敬語としては相応しくないという意見の人もいるようです。現代では「敬語もしくは丁寧語」というのが一般的な解釈です。元々は「おられる」は関西地域の方言が起源と言われています。関西地域では「居る」ということを「おる」と発音し、そこに敬語の「~られる」を付けて「おられる」と言われていました。現代では関西地域以外でも「おられる」という言葉は頻繁に使われており、意味も共有されています。「おられる」という言葉には主に2通りの使い方があります。まず1つ目は「居る」という意味です。そこに相手が居るという状態を「おられる」と言うことができます。「そこにおられる方が○○様です」などと第三者に○○様の存在を伝えることもできますし、「そこにおられたのですか」と当人に「そこに居たのですか」という意図を伝えることもできます。「居る」以外の意味で「おられる」を使うこともできます。2つ目の使い方は「~している」という相手の状態を表す場合です。「○○様は仮眠を取っておられる」などとして第三者に○○様の状態を説明することができますし、「外出をしておられたのですね」など「外出していたのですね」と相手のこれまでの状態を確認、もしくは質問したりすることができます。この場合の「おられる」は、直前に「~して」という実際の動作が入ります。相手がした行動を表す動詞の補助動詞として「おられる」を使うということです。「おられる」には似た音を持つ誤った言葉がいくつか存在します。その代表が「いられる」「居れる(おれる)」などです。どれも日本語としては誤用であり、正しい言葉として使うことはできません。主に「いられる」は「おられる」の言い間違いや聞き間違いが発端となっていることが多いようで、「居る」+「~られる」で構成されています。しかし「居る」という言葉は敬語でも丁寧語でもなく、かつ「られる」とは一緒に使うことができません。「おられる」という言葉は敬語なので、自分や自分の身内以外の人に向けて使います。反対に「自分(または自分の身内)が居る」ということを表す場合は、謙譲語である「おる」が適切です。例えば、「ここにおります」「そこにおります」などとすることで、スマートに自分や身内のなどを目上の人に伝えることができます。他にも「元気にしております」「出社しております」など、「おられる」と同様に補助動詞としても使えます。「おられる」が「居る」という意味で使われる場合に、言い換えとして使えるのが「お見えになる」です。「お見えになる」とは「その場所でその人を見ることができる」ということで、その対象となる人がこれからその場所に来る、またはこれから来ることになっている、という意味で使えます。「すでにお見えになっている」「これからお見えになる」など、状況に合わせて前後の言葉を変えて使います。「居る」という意味を持つ言葉はいくつかありますが、ビジネスの場で良く使われているのは「いらっしゃる」でしょう。「お見えになる」と同じで「すでにその人がそこにいる」「これからその人がそこに来る」の、どちらの意味としても使うことができます。「もうすぐ○○様がいらっしゃる」と言えばこれから来るという意味で、「○○様が会議室にいらっしゃっている」とすれば、もうそこに居るという意味です。「おられる」と良く似た言葉に「あられる」というものがあります。結論から言えば「あられる」も「居る」という意味で、その点では「おられる」と同義です。しかし「あられる」という言葉を使う対象はほぼ限られています。現代で「あられる」を違和感なく使える対象は皇族くらいでしょう。そのため日常生活やビジネスの場で「あられる」を使うことはほとんどありません。手紙やメールなどでも「おられる」は使われています。特に相手の頑張りを称える「頑張っておられるのですね」「頑張っておられるのでしょう」などは良く使われる表現です。文法的に誤りはなく、「ご尽力」などに比べると親しみを感じる表現です。注意すべきは「おられる」の方よりも「頑張って」の部分で、自分より目上の方に向けて「頑張っている」という言い方は失礼になります。目上の方に同じ意味を伝えたい場合は「お力を尽くされていることでしょう」など他の表現にした方が安心です。手紙やメールで「元気にしていますか」など、相手の様子を伺う場面があります。そのときに「お元気にしておられますか」などとするとやわらかい印象でこちらの意図を伝えることができます。親しい間柄であれば「元気ですか」などで済ませられる内容ではありますが、そこで敢えて「おられる」を使うことで、手紙やメールならではの気遣いを見せることができます。誰かが何かを「言っていた」ということを、相手に伝えたいときにも「おられる」を使うことができます。「○○様がそう言っておられる」「以前そう言っておられた」などとすることで誰かの言葉を第三者に伝えることも可能です。この場合の「おられる」は本人に使うこともでき「先日言っておられましたね」などと過去の発言について使うこともできますし、「○○だと言っておられるのですか」など今現在相手が言っていることの意味を確認するときに使うこともできます。目上の人がしていることは「~なさっている」という敬語で表します。この「なさっている」を「おられる」を使って表すこともできます。「運動をなさっている」を「運動をしておられる」、「食事をなさっている」を「食事をしておられる」などです。この「~して」の部分を「されて」という言葉にすると「運動をされておられる」となりますが、「されて」と「おられる」を一緒に使うと二重敬語となることがあります。そのため、できるだけ相手の行動は「なさる」を使った方が間違いありません。「おられる」という言葉は、相手の存在やしていることを「居る」「している」など簡単な言葉を使わずに表すための配慮の言葉です。もちろん言葉は使い方が重要で、誤った使い方をしないに越したことはありません。しかしそれよりも大事なことは、相手が嫌な気分にならない言葉使いを心がけるという気持ちなのかもしれませんね。©Copyright
ビジネスシーンで必須の報告やメール。その際に「誰が言った」、「誰に言われた」というのは、頻出のフレーズでもあります。しかし、この「言われた」は、敬語表現か、受け身か、誤解を招きやすい表現です。正しい敬語表現で、コミュニケーションスキルをアップです!
こちらは、「申し上げる」という敬語(謙譲語)の意味と使い方について、過日の課長の発言を確認する事例を題材に、楽しいイラストと会話形式で分かりやすく解説する『ビジネス敬語の達人』のメインコンテンツです。
目上の方の存在や行動に対して「○○さんがおられる」「食事をしておられる」などと表現することがあります。この「おられる」は「いる」「~している」の敬語表現です。「おられる」は相手の方本人へ「いつもお元気でおられますね」などと使うこともできますし、第三者へ「○○様はきっとお元気でおられるのでしょう」など本人の様子や状態を伝えたり確認したりするときにも使うことができます。 「とんでもないです」の「とんでもない」には、 「思いもかけない」「冗談じゃない」「滅相もない(謙遜)」 という3つの意味があります。 今は正式な表現として認められている言葉ですが、目上の方などに使う時は正しい敬語表現で使いたいですね。 第三者に言い伝える時に使える謙譲語、申し伝える。ビジネスシーンで使える正しい敬語ですが、使い方を知らない人は多いはず。今回は、申し伝えるの意味から使い方、目上に使える例文、言い換えできる類語まで徹底解説。正しい使い方をマスターしておきましょう。
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